余震への警戒、地震は一度では終わらない

大規模な地震の場合、「揺れ」はそれで治まることはまずありません。地震の「本震」と「余震」は、結果的に見て「どちらが大きかったのか」という後の測量でしかありません。M7クラスの前震と、M8クラスの本震が立て続けに起こることもあるのです。どちらが「本震」かということは、その時にはわかりません。都市を壊滅させるほどの大規模な揺れが起こり、それが治まると、「もうそれ以上はないのではないか」という錯覚を抱いてしまうかもしれません。あくまでも警戒するのは「余震」だと、思ってしまうものです。ですが、どちらが「主」で、どちらが「余震」かは、地殻変動の事態がある程度収拾してからでないと誰にも判断ができません。M7のあとにM8やM9が来ないとは、誰も断言できないのです。
確かなことは、そこで地殻変動が起こったということです。自らの足元が、通常とは違う状態になってしまったということです。建物が倒壊し、けが人が続出するような状況が起きたとしても、そのような状況には何ら関係なく地殻変動は進行します。地震は、それで終わりではなく、そこからエスカレートするかもしれません。
事態に巻き込まれてしまった時には、ただ出来ることは「これ以上被害を甚大にしないこと」です。それも個人レベルで、です。最初の地震で自らが無事であったのであれば、その状態を維持するのです。災害時には「怪我の無い人」は貴重です。男性であれ、女性であれ、無傷な体であれば出来ることは山ほどあります。けが人を解放する、困っている人を助ける、震災時の初動救助は、現地の方によるものが殆どです。そして、その初動救助で救われる命が沢山あります。アナタが救助しなければ、そこで終わってしまう命があるかもしれないのです。
一度の地震では終わりだと思わない、これは鉄則です。そして、二度目が必ず来ると考えていれば、次回以降の被害は最小限に食い止めることができるのです。倒壊しかけた家屋からは非難する。けが人を安全な場所へ移送するなどです。
最初の大きな揺れで幸運にも無事な体を保てた方は、そのあともその体を大切にする必要があるのです。それが、迅速な救助への第一歩となるでしょう。