倒壊した瓦礫はどれほど危ないか

都市機能がマヒを起こすほどの大きな地震であれば、古い家屋や建物が「倒壊」する恐れがあります。健常を保っている家屋に混ざって、倒壊した家屋が散在する、そして地域によっては家屋の殆どが倒壊する、ということもあるでしょう。地震によって家屋が倒壊すると、その下には人が生き埋めになっている恐れがあります。場合によっては絶望的な状態になっているかもしれませんし、場合によっては怪我はしていてもまだ救助の余地があるかもしれません。
そのような事態に直面すると、人は「なんとかしよう」と思い立つものです。それは当たり前の感情です。周囲の家屋は健常で、一部の家屋だけ倒壊したような状態では、その状況を取り巻く人々も多いかもしれません。消防やレスキューはいつくるかわからないような状態では、自分たちだけでなんとかしようと考えるものです。
そのような状態になった際、「助けるのは間違いだ」とは決して書けません。率先して助けるのが正しいとも書けません。そのときそのときの状況があるものですし、人数にも違いがあるでしょう。
ただ、間違いないことは、「倒壊した瓦礫は危険」であるということです。
例えば木造家屋であれば「釘」が瓦礫に混ざっています。不用意に瓦礫に近づき、瓦礫の山をよじ登ろうとすれば、それら隠れた「釘」を踏みぬくこともあります。そしてガラスは散乱し、建造物を構成するあらゆるものが散在しています。そのような状態では、一般的な靴や服装であれば危険極まりないのです。
また、倒壊した瓦礫を無理やり動かそうとして、違う箇所が崩れたり、事態を悪化させてしまうこともあります。自主的な救助活動は、これらのことを鑑みて、救助する側の安全も確保したうえで行わなければいけません。ですから、理想は状況を正確に消防に伝える、中にいる方の無事を確かめる。そして、励ます、ということは、想定しておいてください。自分たちだけでの救助には、危険が伴います。
瓦礫は、凶器とも化すのです。