地震に備えて家具を固定することの重要性

日本の今の建築物は、諸外国に比べても丈夫なものになっています。それはやはり、日本は地震が来て当たり前な国であるからです。地震の少ない国々と比較すると、その「揺れ」に対する強度は格段に違います。ですが、家屋は無事でもその「中身」は無事では済まないことが殆どです。それは、生活のために揃えられた「家具」たちです。
地震の揺れは「震度」で示すことができます。人が恐怖を抱く震度は3からといわれています。明らかに揺れていることがわかり、思考が停止し、硬直します。震度が4になると明らかに大きな揺れと感じます。各地の被害や、自分の親しい人たちの安否が気になるようになります。
そして震度が5以上になると、固定していないものがずれたり、場合によっては倒れたり、落ちてくることがあります。揺れの中で動けないことはありませんが、「明らかに大きな地震」と感じ、沿岸部では津波への警戒も呼びかけられます。震度が6を超えると、都市機能に被害が出てきます。場合によっては倒壊する家屋も出るでしょう。そうなると、家の中の大体のものが移動したり、倒れたりします。この状態では人は動くこともままなりません。揺れが収まるまで安全なところでじっとしていることが得策です。
家の中は地震の揺れの最中では決して安全ではありません。わかりやすい表現で表すと、「テレビが宙を飛ぶ」ことすらあります。もみくちゃになった家の中での怪我は決して少なくはなく、侮れないものです。家具や家電には質量が大きなものが多いです。ものによっては1人では運べないものもあるでしょう。それらの重たいものが、一気に踊ったように跳ね上がります。そのような状態を手で押さえて制御しようとするのは不可能といえます。家具が乱れ飛ぶほどの揺れであれば、自分は動けないからです。
緊急時にこのような事態にならないためには、「家具を固定しておく」ということが一番です。特に重くて大きいものほど、しっかりと固定しなければ地震の際には自らを襲う凶器と化します。
固定具はホームセンターなどで容易に入手できます。賃貸などの住宅では壁に直接打ちつけることに抵抗があるかもしれませんが、そのようにしなくてもよいタイプのものも沢山あります。地震が発生してから固定しても意味がありませんから、自宅のめぼしい「大きな家具」だけでも、固定するようにしましょう。