私たちの住む日本は、これまで幾たびも記録に残る地震災害に遭遇してきました。いわゆる「震災」は、文字通り私たちの生活を根底から揺るがす破壊力を持って、都市機能を粉砕し、経済を粉砕し、数多くの犠牲位者を出し、歴史に大きな爪痕を残してきました。
その記録や生の記憶から、私たちは教訓を得て、震災に負けない暮らしを模索しています。ですが、いくら考えても、どれだけ研究しても、予想を上回る規模の地震は後をたちません。地震に負けないための対策をいくら考えても、「想定外」の事態が起きてしまいます。もともと、自身は地殻変動です。自然に起こるものです。たまたま日本列島の位置する場所が、その影響を直に受けやすい場所であり、歴史的に見ても大きな震災が繰り返されています。ですが、そのスパンは50年~数百年と広く、大規模地震の間を縫って年が復興し、人が生まれて育つには十分な期間であったのです。私たちの国は、地震を避けることが出来ない地盤の上に成り立っています。それだけはゆるぎない事実なのですから、「巨大地震はは起こる」ということを想定して日頃から対策をたてることが必要です。
また台規模な震災が起こっても、日本という国はなくなりませんし、人はまた生まれて育っていくのです。
地震に対する対策は、国家、都市レベルのものから家庭内、そして個人に至るまで、様々なレベルでの準備が必要です。そして「いつ起こるか分からない」ということも念頭に入れなければいけません。地震は予知できません。その瞬間をねらって「シェルター」のようなところに避難することはできないのです。その時「どこにいるか」も人の命運を左右しますし、「何をしているか」ということも地震発生直後の行動を左右します。
私たちにできることとは、先の震災、そして歴史に刻まれた震災の記録から、自分が遭遇した際にはどのような被害が出るのか、どのような影響が出るのかを想定し、準備しておくことなのです。
それは地震に対する特別な備えではなく、常日頃から実践していなければ意味がありません。地震は予知できないものですから、心構えと、日頃からの準備が、ひとつひとつの命を左右するのです。