震災デマに惑わされず、冷静な対応を

現在ではインターネットが発達し、その情報の受け方、発信の仕方は個人レベルでより容易になりました。それらの情報には即時性があり、また瞬間的に伝播する性質があります。
インターネット上での個人間のやりとりは、基本的に「匿名」です。匿名ということは、人は発したその情報に対して「責任」を持つ意識も希薄になります。そして、インターネット上ではそのコミュニケーションは「場所」と制約を受けません。被災地からも、被災地の外からも、同じ時間軸で同じサイトを閲覧することが出来るのです。
現在ではSNSやブログに始まり、タイムライン上に発言を集約していくツイッターなど、様々な情報発信サイトが存在しています。フェイスブックなどは別にすると、誰でもリアルタイムで状況を記して人に受信してもらうことができます。そのような状況では、情報を錯綜させて混乱させるといったことも容易に出来てしまうのが現実です。匿名であり、またアカウントも複数持ててしまうようなコミュニティーサイトでは、被災地や被災者の役に立つ情報にまぎれて、悪意のあるいたずらも横行することになってしまうでしょう。
これこそ「モラル」の問題ではあるのですが、いつの時代も、どんな時も「混乱」を目的として情報を錯綜させようとする人はいるものです。ですから、緊急時にはそれらのサイトでは即時性のある情報が得られることは確かですが、「信頼性」に欠けるのです。
信頼性に欠ける情報は「存在しない」ことと同義と捉えた方が無難です。先般の震災で発生したデマの中にも、「怪我をしたので通報してほしい」というものがありました。このような情報に接したとき、人はどうしても通報してしまいますが、拡散された情報なのであれば、通報者は他にも発生してしまい、消防の混乱を招くことになります。
これらの情報はすべてが偽物であるということはないと思うのですが、真偽の確かめようがありません。そのまま大規模なデマにエスカレートした事例もあります。
インターネットのこのようなツールも、使い方と情報の受け方を考えなくてはいけないようです。